野外科学の方法(その1)

野外科学の方法―思考と探検 (中公新書 332) ずいぶん前に購入した本。かのKJ法の川喜田二郎さんの本。最近電車の中でペラペラ(あくまでペラペラ)と読んでいるが結構面白い。

最初の方(つまり、まだ最初しか読んでない)で面白かったのは「課題追求型」でない探索という言葉である。

課題追求型とは、「コロンブスは地球が丸いという知識から、したがって・・・という課題のビジョンを形成して探検に出かけた。」というように、何が追求すべき課題が明確なビジョンがあって行動が発生する型。通常はこれが良いことと推奨されている。「ただ漫然と調べるな!」とか「仮説・実施・検証をせい!」と言われる世の中だと思う。

でも「本当にそうだろうか・・・・」。データを見て観察しないと、そもそも課題そのものが明確にならないのでは・・・???と思っている自分としては、引っかかったのである。

ここでいう「課題追求型でない行動」とは、事前に抱かれている課題とか仮説を確かめに行くというのとは全く逆に、課題とかアイディアを生み出す為の活動であり、「課題発想型」の行動の事だと思う。

「何でも見てやろう」と出かけて、その環境の中で閃きを誘発刺激するような活動。つまり、実際のフィールドの中に自分を置くことで、環境から与えられる自分自身への様々な刺激に反応する事で閃きが生じる。そんな事が大切という事を言っているのだと思う。

そもそも、マイニングとは本来はそんな活動ではないだろうか? じっと自分の発想が熟成されるまで、様々な刺激の中に自分をさらす。そんな活動ではないだろうか?