順列組合せ

順列

n個の異なるものから重複を許さずに、一列に並べる順列の数は、

{}_{n}P_{n} = n!


n個の異なるものから重複を許さずに、r個を選び出し、それを一列に並べる順列の数は、

{}_{n}P_{r} =\frac{n!}{(n-r)!}=\overbrace{n(n-1)\cdots (n-r+1)}^{number = r}


n個のうち、p個、q個がそれぞれ同じものであるとき、これらn個のものを1列に並べる並べ方の総数は

\frac{n!}{p! \cdot q! }

これもある意味当然。まずn個が全て異なっていたとすると、その並べ方はn!個になる。

しかし、ここでp個、q個が実は同じものであるとすると、p! \times q!だけ余分にかけ算している事になるから・・・。割ってやれば良いとなる。

組合せ

ではでは、n個の異なるものの中から重複を許さずにr個を選び出す選び方の総数は、

{}_{n}C_{r} = \frac{{}_{n}P_{r}}{r!} = \frac{n!}{r!(n-r)!}


なぜか?・・・

図のように、\{a,b,c,d,e\}の5つから3つを選ぶ場合を考えよう。

もしその3つが、(a,b,c)だった時、組合せなら(a,b,c)の一組だが、順列は下図のように6通りと計算するわけである。

つまり、1通りを6通りと6倍に換算していることになるので、逆に6で割ってやれば良いのである。

組合せの重要な公式

{}_{n}C_{n}=1\\{}_{n}C_{1}=n\\{}_{n}C_{r}={}_{n}C_{n-r}\\{}_{n}C_{r}={}_{n-1}C_{r-1}+ {}_{n-1}C_{r}\\r \cdot {}_{n}C_{r}=n \cdot {}_{n-1}C_{r-1}

{}_{n}C_{n}=1{}_{n}C_{1}=nは全く問題なく理解できる。でもその他はちょっとややこしい感じがする。

次の{}_{n}C_{r}={}_{n}C_{n-r}もちょっと考えれば当たり前だろう。

図のように5つのものからどの3つを組にして選ぶかを決めれば、必然的に残りの2つの組合せも決まる。だから、3つを取る組合せの数と、残りを取る組合せの数が同じなのは至極納得。

次の{}_{n}C_{r}={}_{n-1}C_{r-1}+ {}_{n-1}C_{r}については、図のように{}_{n}C_{r}を2つの事象に分解するという考え方をすれば理解できる。

ある特定の要素aが選ばれているとすると、残りのn-1からr-1個を選べば良い。

一方、aが選ばれていないとすると、残りのn-1から今度はr個を選べば良い。この2つの事象は排反だから、それぞれの組合せの数を加算すれば良い。

次のr \cdot {}_{n}C_{r} = n \cdot {}_{n-1}C_{r-1}は以下のように計算上は明らか。

{}_{n}C_{r} = \frac{{}_{n}P_{r}}{r!} = \frac{n\times (n-1)\times (n-2)\times \cdots \times (n-r+1)}{r\times (r-1)\times (r-2)\times \cdots \times (n-r)}=\frac{n}{r}\times {}_{n-1}C_{r-1}

計算は確かにそうだとして、この事は一体何を意味しているか? 

n人の中からr人の委員を選び、さらにその中から1人の代表者を選ぶという過程と考える。


図の(a)素直に手順にそって考えた場合。

まずn人の中からr人の委員を選ぶ組合せは{}_{n}C_{r}であり、さらにそのr人の中から一人を選ぶ組合せは{}_{r}C_{1}なので、その組合せの総数は、r \cdot {}_{n}C_{r}である。

図の(b)結果的にr人の委員とその内の一人の代表者が決まれば良いと考えた場合。

まずn人の中から1人の代表者を選ぶ組合せは{}_{n}C_{1}=nである。その人は必然的に委員になる。なので、次にその人を除いたn-1人から、r-1人の委員を選ぶ組合せを計算すると、{}_{n-1}C_{r-1}。なのでn \cdot {}_{n-1}C_{r-1}である。

最短経路の問題

図のように、点Pから点Qへ到達する最短経路が幾つあるかを考えよう。

最短距離なので、戻ったりしないで右上に向かうと考えると、移動方向は\uparrow \rightarrow だけである。また、上と右だけを通るとすると移動で通る辺の数は5つである。

なので、5つの内のどの3つを右移動(\rightarrow )として選ぶか? という問題であり以下のように10通りである。

また、逆に5つの内のどの2つを上移動(\uparrow )として選ぶか?と考えても、{}_{5}C_{2}=10となり、結果は同じである。

 {}_{5}C_{3} =\frac{5!}{3!(5-3)!}=\frac{5\times 4\times 3\times 2\times 1}{3\times 2\times 1\times 2\times 1}=10