意味と距離〜一対比較という方法論


前述した、「数学的な距離」を「意味的に把握」する為にどのように定めるか?という問題に関係するかもしれない事。

意味的な距離が測れて、「ある対象(ある商品やある言葉)が、構造の中でどんなポジションとして認識されているのか?」を図として示せれば面白い。その為には「距離」というワードがとっても重要に思える。

距離の概念とは、「あるモノとあるモノが近いか遠いか?」という感覚の定量化である。「近いもの」どおしが視覚的に近くなるように図を描くことができれば、ここで意図する構造を示せると思う。

 

今、ある3つのモノがあったとする。実は、この3つの関係をひとつの軸(モノサシ)で表そうというのは結構難しい。「Aさんは、明るくて好き」でも「Bさんも、聡明で好き」というように、比較する軸がコロコロ変わる事があるからである。3つのモノがあれば空間上の3点になるのが一般的である。

なので、単純に本当にひとつのモノサシ(直線)に足を下ろして、3つのものの距離を描いてしまおう・・・・というのが、少々乱暴かもしれないが一対比較法といっていいと思う。

心理学でよく使われてきた方法としては、サーストンやシェッフェの方法がある。一方で最近になって意思決定をする方法論として考案されたAHPという一対比較の方法がある。AHPを用いた一対比較法の原理はこんな感じ。

2つの商品の同時購入が発生する比率というのも距離だし、あるサイトからあるサイトまで幾つのリンクでつながるか?というのも距離だし、・・・・どのような距離の概念をもってくるかで、構造が決まるともいえるかもしれない。